防水工事は、防水専門業者による施工以外に、塗装業者など専門でない業者による施工が行われることも多々あるのが現状です。
そういった専門業者の施工ではない場合、注意が必要となります。
例えば、防水層の塗膜が規定の厚みでなかったりすると、塗膜がふやけ早期剥離を起こしたり、本来の耐久力を発揮出来ません。
しっかりした知識と施工力を持った業者を選び、適切な施工をすることが美観を保つことはもちろん、「お家を守る」という本来の目的を果たすことが出来ます。
もちろん、塗替え道場では当社専属の防水専門の職人がおり、施工経験も豊富です。
FRP防水、ウレタン防水、塩ビシート防水については後ほど詳しくお話しますが、専門の職人とアドバイザーがそれぞれの施工箇所に本当に合った防水施工をご提案させて頂きます。
さて、ここからは戸建、アパート・マンションなどで
多く施工される3つの防水工事
- 1.『FRP防水』
- 2.『塩ビシート防水』
- 3.『ウレタン防水』
について詳しくご説明していきます。
FRP 防水材工業会の公式ホームページ(http://www.fbk-bousui.jp)より抜粋
FRPとは
FRPは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などの強化材(補強材)で補強したプラスチックという意味です。FRPは数々の優れた特性を持っており、例えば強度・耐水性・成型性が優れていることから、船舶、水槽、浴槽、波板、自動車、屋根材等として広く使用されています。
FRP防水とは
FRP防水は、上記のような優れたFRPの特性を防水分野に応用したもので、防水層は軽量かつ強靭、耐熱性・耐食性・耐候性などに優れているという特長があります。FRP防水は、液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材と組み合わせて一体にした塗膜防水です。出来上がった防水層は、継ぎ目のないシームレスな層となり、美観的にもきれいな仕上がりとなります。
FRP防水の施工工程については表-2をご参照下さい。 また、FRP防水についてもっと詳しくお知りになりたい方は、「FRP塗膜防水工法とJASS8基準の概要」(http://www.fbk-bousui.jp/pass/documents/jwma.pdf)をご覧下さい。
塗替え道場でもFRP防水を施工することが多くあります。
FRP防水は強度に優れており、ほとんど割れたりすることはありませんので、施工して10年ほど経過してもヒビ割れなどの劣化が少なく、見た目では大丈夫そうだと思われることが多いです。しかし、見た目で劣化が分からない分、「補修をした方がいいのか?」「まだ大丈夫だろう」というのは本当に良くありません。
補修工事を先送りにしてしまい、いつの間にか劣化が進んでしまっては施工にかかる費用が大幅にかかってしまいます。
適した年数で施工をすれば、FRP防水の特長を活かしトップコート(表面層)の塗装だけで済ませることができ、費用面でもかなり抑えられるのでお客様にも大変喜ばれます。
また、FRP防水層がヒビ割れている原因の多くが、防水層を載せている新築時の建物自体の木材基礎などの問題が多く、実際、私たちが過去に診断させて頂きました現場でも防水層の亀裂や破断の原因の多くが建物自体にあり、防水層の下の木材から補修するといったことがほとんどでした。
日本ウレタン建材工業会
(http://www.nuk-pu.jp/QandA/zairyo-QA.html#Anchor165357)
の公式ホームページから抜粋
ウレタン塗膜防水の耐久性と改修方法は?
ウレタン塗膜防水の耐久性は、防水層の厚さや、メンテナンスの良否、屋上の使用状況などによって異なります。 標準的な例として、国土交通省X-1仕様※のケースを考えます。5年程度毎に1度保護を目的とした最上層の保護仕上塗料を再塗布していますと15年程度の耐久性(防水性能の保持)が可能です。
X-1仕様は脱気絶縁機能が前提ですので防水層にはふくれ、破断がない状態である筈です。したがって10〜15年目の改修時には既存防水層の撤去や下地処理が要らず、ウレタン防水材の再塗布(2~3kg/㎡の増し塗り)のみで済みます。 これは改修工事としては大変簡単な工事であり、工期は大幅に短縮出来ます。また、コストの点でも全面改修に比べ1/2ないし1/3のコストで済みます。他方、改修時に撤去廃材が出ないということは産業廃棄物処理および環境保全、資源有効利用の観点からも大いに評価されます。 以上の点からウレタン塗膜防水は10〜15年目の改修時においても非常にメリットの大きい工法であると言えます。
※躯体のコンクリート内に含まれている水分を抜く方法で脱気(通気)工法
なぜウレタン塗膜防水は改修用途向きか?
ウレタン塗膜防水は新築でも改修でも優れた性能を発揮します。
ウレタン塗膜防水の特徴の一つが、施工場所が複雑でも簡単、かつ確実に施工できることです。しかも露出工法で軽量なため、屋上に機器、架台などがあって複雑な下地の場合が多かったり、旧防水層が押え工法であってもその上から施工出来る防水工法として、ウレタン塗膜防水が選択されるケースが非常に多いのです。そのため“改修にはウレタン塗膜防水”という評価が多くなっています。
日本ウレタン建材工業会のホームページから資料抜粋させていただきましたが、外壁塗装と違いウレタン防水は1㎡に対して2キロ〜3キロの材料を流しこまなければいけないとメーカーは規定しています。
外壁の1㎡に対して0.15〜0.13キロと比較すると実に20倍もの数字です。
実際ウレタン防水を通常の戸建てなどの屋上に使用する場合60㎡と考えても120〜130キロのウレタン防水材を流しこまなければいけない計算なります。缶数でいうと実に約9缶です。
しかし、多くの塗装会社や防水業者は相見積りで勝ちたい余りにこの材料費をケチる業者がたくさんいます。
この原因の一つは、業者だけが悪いのではなく、値段だけを見て決めてしまうお客様にも原因があるのではないでしょうか。
実際に私も何度もお客様から「塗替え道場さんは塗装は安いけど防水は高いわよね」と言われています。
しかし、お客様自身が少し勉強して見積り業者にいくつかの質問をすれば、はっきりとわかるはずです。ネットなどでメーカーのホームページを見ると値段などが出ています。平米から計算しても自分の家に使用する防水材の缶数はきちんと計算できるはずです。
塗装屋がいうのもなんですが、外壁塗装とは違い、屋根や防水は雨水から建物を守るとても重要な箇所です。
どうか皆さん、十分な知識をつけ適正な業者にご依頼してください。
横浜ゴム ウレタン防水シリーズ≪アーバンルーフ≫ ハマタイト カタログURL
http://www.yrc.co.jp/hamatite/products/urethan/pdf/urbanroof.pdf
ダイヤフォルテ 防水工業会
(http://www.diaforte.jp/index.html)の公式ホームページから抜粋
優れた耐候性、耐久性
耐侯性の良い塩ビ樹脂をベースにして耐久性を付与した防水シートです。屋外での日光による紫外線、熱、オゾンに対し“優れた耐久性”を持っています。 また保護塗料なしでも“カラフルな色彩が”生かせます(保護塗料を施すことにより、さらに長期の耐久性が得られます)。
強い強度
塩ビシートは引張強度・引裂き強度のみならず耐磨耗性にも優れています。このため“屋上での歩行”が可能です。また屋上緑化の植栽に対し“耐根性に優れる”という特長を持っています。またカラスなどの“鳥害”を受けにくく、鳥のついばみによる穴開け事故が発生しにくい防水シートです。
自己消火性
塩ビシートは燃えにくい性質を持っています。シートに火炎を接すると燃えますが、火炎を取り去ると燃え続けることなく自然に消火します。これを“自己消火性”と言います
どうしても施工出来ないような複雑な形状をしていたりする場合には、ほかの物を提案させて頂くこともありますが、多くのお客様に塩ビシート防水をお勧めさせて頂いています。
その理由は「耐久力」です。確かに FRP 防水やウレタン防水のように液体ではないため、施工には手間がかかりますが耐久力やコスト面でお客様に最大のメリットがあると思います。
またもう一つのお客様に対するメリットとして、塩ビシートは予めシートの肉厚が決まっている(肉厚の薄いものも販売されているので、業者にしっかり確認した方が良い)ため、工事に誤魔化しが効かないことです。実際にウレタン防水や FRP 防水で格安をうたう業者もいますが、塩ビシート防水の見積りを取るとその業者の真価が分かると思います。